前回の第1話では、勢いと行動力の賜物として誕生した「横須賀ジーンズ商会」とワンタックスリムフィットジーンズのお話しをしました。
2話目の今回は、こだわりのワンタックスリムフィットジーンズYokosuka Jeansが実際に形になるまでの裏話をしたいと思います。
ゼロスタートの強み
かつて横須賀で流行っていたタック入りジーンズを再現すべく、勢いで始まったYokosuka Jeansプロジェクトですが、アイデアはあっても肝心のノウハウがありませんでした。ファッション・アパレル業界はゼロからのスタートでした。そうです、これが勢いと行動力のなせる技。周りからは、「無茶だ!」と言われながらも、逆にスタートがゼロだからこそできることがあると信じて止みません。常識や慣例に縛られず、”コレだ”と思う物を作ることがブランドのモットーです。今でもその姿勢は1ミリたりとも変わっていません。
ジーンズらしくないジーンズ
その後、運よく(言葉通り、本当に運よく!)、ジーンズを作ってくれるという業者さんと出会うことができました。しかも、バリバリのジーンズ畠の業者さんです。ジーンズのいろはを熟知し、業界を牽引する業者さんのひとつです。
早速、作りたいジーンズのアイデアをお伝えするのですが、なかなかどうして、とにかく当初は、こちらのアイデアを受け入れていただけなかったのです。あまりにも、”ジーンズらしくない”がために。
タックを入れたい・・・ジーンズじゃない
ウエストはシャーリング(ゴム)加工を入れたい・・・ジーンズじゃない
ストレッチデニムを使いたい・・・売れ筋で手堅いのはセルビッチデニム
ジーンズ業界に精通している業者さんですから、型破りなYokosuka Jeansの道のりは、険しいものでした。もちろん、ビジネスとして成立するか否かについても、プロフェッショナルな観点からのご指摘を頂きました。正直、迷いも生じました。それでも、やっぱり結局作りたいジーンズは、タック入りで、ウエストにストレスがなく、身体に馴染む、かつて横須賀で流行ったジーンズです。自分が、本当に欲しくて穿けるジーンズです。
なかなか形が定まらない中でも、早い段階で仕上がったものもありました。トップボタンやリベット、ジーンズのもうひとつの顔と言えるパッチなど、ジーンズらしい表情を演出するオリジナルパーツです。
パーツの完成で、不安に苛まれ暗雲立ち込めていたジーンズ作りに、わくわく感と現実味が増してきました。
(つづく)
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