リジッドジーンズってなにさ?

ジーンズ

今回は、ジーンズ好きのためのジーンズ、そして、ぜひ1度は挑戦したいリジッドジーンズについてのおはなしです。

ジーンズはワンウォッシュが当たり前?

通常売られているジーンズのほとんどは、1度洗ってから店頭に並んでいます。1度洗う=ワンウォッシュ加工には、いくつもの利点があります。

ワンウォッシュ加工の利点

  1. 糊を洗い落とすことができる
  2. 生地が柔らかくなり穿きやすくなる
  3. 生地の縮みを気にする必要がない

ジーンズをつくる際、分厚い生地から効率よく生産をするために、糊で生地を固め、裁断や縫製をしやすくしています。また、ジーンズの生地デニムは、洗うと縮むという大きな特徴を持っています。ワンウォッシュ加工を施すことで、これらの問題が一気に解消するのです。

かつて、アメリカからやってきたジーンズが、日本で最初に売られ始めた際、固くて新品のジーンズは人々に受け入れられず、逆に、米軍などから引き下げられた古着のジーンズばかりが売れていたそうです。そこで日本のジーンズメーカーが、

「売る前に、一回洗って穿きやすくすれば、売れるのでは?!」

と、新品のジーンズを洗うようになったそうです。

リジッドジーンズとは

リジッド-rigidーとは英語で固く曲がらない、硬直した、こわばった、という意味。その名の通り、リジッドジーンズは、バリバリに固いジーンズのことです。

そして、リジッドジーンズには、

  • アンサンフォライズド=糊つき未洗い 防縮加工なし
  • サンフォライズド=糊つき未洗い 防縮加工あり

の2種類があります。アンサンフォライズドの一切加工が施されていないジーンズは、生ジーンズ(raw jeans)とも呼ばれます。そうなんです、リジッドジーンズとは、先述のワンウォッシュ加工を施していないジーンズのことなのです。

ちなみに、サンフォライズドとは、デニム生地の縮みを解消するための防縮加工技術のことで、生地の状態で施されています。発明者、サンフォード・クルエットの名にちなんだ名称です。この加工技術により、ジッパーフライのジーンズが本格化した、というのは、わりと有名なはなしです。

なぜリジッドジーンズ?

以前ブログでも触れましたが、ジーンズの特徴でもあり醍醐味として、経年変化があります。ジーンズは自分のからだに合わせて育てるもの。これは、ジーンズ好きには常識、といっても過言ではありません。

そのように、自分のからだにフィットさせ、育てるために欠かせない要素が、縮みです。Shrink To Fit(フィットするように縮む)という名をもつジーンズ。水に濡らして、乾けばより自分のからだにフィットする、とかつてのアメリカ労働者たちは、ジーンズを穿いたまま水に入った、というエピソードもあるくらいです。そして、穿けば穿く程自分のからだにそったシワが、膝の裏や股間にでき、太ももや膝の部分、ボタンの形や、いつもポケットに入れている財布の形がわかるほどに、生地が張っている部分に色落ち(アタリ)が現れます。

これらの変化はリジッドジーンズを穿くとより顕著に現れます。なぜなら糊がついて生地が固い分、動いた跡が残りやすいからであり、洗っていない分、色落ちもキツく濃く現れるのです。リジッドジーンズは、育てがいのある、まさにジーンズ好きのためのジーンズ、こだわりのジーンズなのです。

リジッドジーンズの育て方

リジッドジーンズの育て方は、こどもを育てるのと同様、育て方もひとそれぞれ。そして、自分で試行錯誤することが楽しみのひとつでもあります。なので、あくまでひとつの例です。

  1. 糊がついた固い状態で、しばらく穿いてみる
  2. 最低3−6ヶ月穿き続け、その後洗濯して糊を落とす
  3. シワをこくつけるために、脱いだときそのままの型にしておく

糊がついていることで、シワがくっきりつきます。糊がついている状態でどれくらい穿き続けるかが大きなポイント。シワを重視しメリハリのある色落ち=アタリをつけたいなら、洗わずに、できるだけ長く穿き続けることです。逆に、長期間穿いた後で洗うと、そこで縮みが生じるので、アタリの部分が微妙にずれてしまいます。

くっきりしたシワとアタリを重視するのか。

アタリの位置を重視するのか。

糊を落とすタイミング、いいかえれば、洗うタイミングが、決断の時です。そして、その洗い方もさまざまな手法が。それについては、長くなりそうなので、またの機会に。

リジッドジーンズの注意点

リジッドジーンズには、縮みによりサイズのトラブルが多いのも事実です。メーカーによって、生地が違う分、縮み方の特徴もまちまちです。リジッドジーンズに挑戦する際は、サイズ選びに十分すぎるほどの考慮が必要です。縮みを考慮して、ジャストサイズより大きめのサイズを選ぶことが基本です。

が、とにかく、そのジーンズのことを熟知する店員さんや、リジッドジーンズ経験者の声を参考にすることが大切です。

自分の動きや生活をジーンズに刻みこむ。ジーンズのシワや色落ちが、あの時の記憶とともに刻まれる。固くバリバリで頑固なリジッドジーンズは、実は最も懐が深く、自分に誠実な相棒になり得るのかもしれません。

タイトルとURLをコピーしました