今回は、ジーンズの生地、デニムの厚みの違いを知ることでより一段とジーンズの深みにはまってみようと思います。
ozは重さの単位
oz…オズではありません。正式にはOunceと書き、オンスとよみます。デニム生地やTシャツの生地などの厚さの違いは、このオンスで示されています。
なぜ、重さ?とおもいませんか。
目付け(Weigh)という生地の重さを示す単位があります。これは、織物や編み物の品質を表す記号のひとつで、その生地の品質を判断する要素にもなります。なぜ重さなのか、これは、織物や編み物、特にウールなどは縮む特性があり、生地の幅が一定にならず、厳密な表記ができないからです。(ジーンズも縮みますからね!)
目付けは、面積に対する重さで示され、1㎡あたりの生地の重さということになります。ジーンズの目付けがオンスなのは、なぜでしょう。それは、アメリカからはいってきた生地(製品)だからです。
Tシャツやジーンズなどの目付けを示す時は、アメリカの質量単位がつかわれています。なので、ジーンズのオンスは、1平方ヤード当たりの生地の重さ=オンスです。ちなみに1オンスは、約28.35gです。
重さでわかる布の品質や特徴
目付けは重さということもありますが、織目や編目の密度と受け取ることができます。これは単純に考えてみれば、細かく編めば重く、荒く編めば軽くなる、ということです。
目が粗いものは、通気性がある、という解釈もできます。目が細かいものは、密度が濃く厚手で丈夫、ともいえます。細い糸か太い糸かによってもその重さは変わってきます。
使う糸と織や編の密度で、その布の品質や機能性が判断できるわけです。
ジーンズとオンス
さてさて、ジーンズに使われるデニム生地の目付け=オンスをどう考えるか。一般的なジーンズは14オンス程度のデニム生地が主流です。このレギュラーオンスは、適度な柔らかさと、一年を通して穿ける、ほどよい厚みが特徴です。手に取りやすい厚みは、抵抗なく穿けるファーストジーンズ、といえるでしょう。
それに対して、10オンス未満のライトオンスといわれるデニムは、スキニージーンズなどからだにフィットし、ストレッチ性の高いジーンズに使われています。耐久性には若干欠けるものの、夏場など涼しく穿けるのは、ライトオンスのジーンズです。
15オンス以上になると、ヘビーオンスといわれます。ごわごわとした質感、触ってみてわかる厚さは、まさに、本来のジーンズらしいジーンズです。丈夫で耐久性に優れ、滅多なことでは擦り切れない強さをもっています。ただし、生地が重く、夏は暑苦しい、というのが欠点です。
オンスの違いと経年変化
オンスの違いは、肌との接触やシワの出来具合の違いでもありジーンズの醍醐味である、経年変化にも影響します。同じ型のジーンズでも、オンスが違えば、穿く程に違う雰囲気になるということです。
レギュラーオンスのジーンズは、全体的にシワの色落ちがでやすい、といわれています。細かく鋭い線が多くはいるのも特徴です。からだに密着しやすい分、膝や太もものアタリといわれる色落ちが弱いのもレギュラーオンスのジーンズです。ぼんやりとした、自然な色落ちを楽しみたいなら、レギュラーオンス、と覚えておくと良いかもしれません。
ヘビーオンスのジーンズは、生地が厚い分、シワができやすく、無骨で荒い色落ちが特徴。腰回りのヒゲ、膝裏や太もものアタリもくっきりとでます。ちょっとしたシワも強めに色落ちとなり現れます。くっきりとしたジーンズならではの経年変化を楽しむなら、断然ヘビーオンスのジーンズです。強いて問題をいえば、生地が丈夫すぎて、縫製の方が先にボロが出るという点です。それくらい、ヘビーオンスは頑丈な生地なのです。
さらに、これらオンスの基準やその違いに合わせて、どんな特性の糸をつかって織られたデニムか、ということを調べてみると、より一層そのジーンズの特徴がわかるようになります。どんなジーンズに育てたいか、どの季節に穿きたいか、などジーンズ選びがより一層楽しく深くなります。
オンスでジーンズを選び始めると、いよいよジーンズへのこだわりが強くなってきたな、と感じます。