ドレスコードとカジュアルジーンズ

ジーンズ

常識ある大人として最低限知っておきたいのが、TPOをわきまえた服装や身だしなみです。近頃は、ファッションが多様化し、様々な社交の場において服装のカジュアル化が進んでいます。わかりやすさ、気楽さは有難いことですが、許容範囲が広がった分マナーやルールが複雑化してきているのも事実です。

大人のジーンズを追求したいと考えている、横須賀ジーンズ商会。今回は大人の嗜みでもあるドレスコードについて、そして、カジュアルファッションの代名詞であるジーンズの未来について考えてみたいと思います。

ドレスコードは大人のマナー

そもそもドレスコードとはなにか?日本語では、「服装規定」と訳されていますが、これは、その場に適した服装や身だしなみのマナーのことです。誰が、いつ、何の目的で、どのように集うかといった、その場の目的に相応しく、会場の雰囲気を損なわないために示されるのがドレスコードです。服は、その種類、形、生地、色などによって自ずと「格付け」がされていて、示されたドレスコードの格に従って服を選ぶ、と考えれば理解しやすいと思います。実際、普段の生活の中でも自ずとドレスコードに従って私たちは服を選択しているといえます。仕事に行く、親戚が集まる、友人と会う・・・。誰に会うか、どこで会うか、何をするかなどの目的に応じた服選びは、大人としてのエチケット、マナーとして常日頃からしていることなのです。

フォーマルだけがドレスコードじゃない

ドレスコードと聞くと、堅苦しくてよくわからないもの、と思いがちです。なぜなら、ドレスコードが示される機会が堅苦しいからです。冠婚葬祭がその代表例です。その他、ホテルのレストランや豪華客船でのクルーズ等、非日常的な機会に示されることがあるからこそ、形式的で窮屈に感じるのだと思います。当たり前のことですが、常日頃から格式の高い場やパーティー、儀式に参列している国や特権階級にいる人々にとっては、私たちが普段着を選んでいるのと同じ感覚でその場にあった服を選んでいるだけです。そう考えると、ドレスコードも一旦理解してしまえば、難しいことはなさそうです。

一方、最近では格式の高い機会が少なくなった上、様々な社交の場でのカジュアル化が進んでいます。ビジネススーツでも代用することができる機会が増えていますし、ゲストに対する気遣いから「平服」と指定される場合が多くなりました。

ルールがゆるくなり、曖昧になることで、判断が難しいことも少なくありません。そんな時は、間違った判断を下してその場の雰囲気を乱してしまう前に、主催者やお店に尋ねる、というのも大人の判断かもしれません。

ドレスコードの種類

ここで一般的なドレスコードの種類を並べてみます。

  • 礼装/正装/フォーマル
  • 準礼装/セミフォーマル/カクテル
  • 略礼装/インフォーマル/平服
  • スマートエレガンス
  • カジュアルエレガンス
  • ビジネスアタイア/ビジネスフォーマル
  • ビジネスカジュアル
  • スマートカジュアル
  • カジュアル

改めて並べてみると、確かに堅苦しいというか、なにがなんだか困惑してしまいますね。それぞれの特徴や着用の機会、ルールやマナーについては是非近々まとめてみたいと思います。

ドレスコード一覧

画像引用:http://www.cateringonthemove.com.au/guide-to-dress-codes/

ドレスコードの意味

レストランが短パンやノーネクタイ、サンダル履きでの入店を禁止したり、ゴルフクラブがコース上でジーンズを穿くのをNGにしたりするのも、ドレスコードです。レストランではその店の雰囲気を保つため、ゴルフ場ではゴルフの伝統やメンバーズクラブの格式を保つため、というのがそのドレスコードを示す理由でしょう。この場合、会場や施設、サービスを提供する側がその場に出入り(利用)する人やゲストを服装によって選んでいるとも言い換えられます。

結婚式や葬儀など冠婚葬祭時のドレスコードがフォーマルなのは、主役や主賓、喪主やご家族に対する厳かな気持ちを表しています。

明示されていようがいまいが、どの社会もある一定のルールに基づいてその場が成り立っています。その秩序を保っているのが、マナーでありエチケットであり、場や時間を共にする他者を尊重する気持ちです。ドレスコードとは、自分の立場を示すのと同時に、服装や身だしなみを通じて、その場や時間、他者に対する心配りの姿勢なのです。

そして、ファッションを語る時いつも思い出すのですが、服が与える人の気持ちや態度への影響の強さです。以前のブログ記事「Queer Eye」での変身劇が伝えるように、服装によって人というのは外見だけでなく中身も変わるものです。ドレスコードに従って服装を気遣うことで、外見も内面(態度)もその場に相応しい人になる、という事なのだと思います。

カジュアルの代表・ジーンズの未来

一般的なドレスコードの中で、最もフォーマル(格式)度が低く、自由度が高いのがカジュアルです。そして、ジーンズはカジュアルファッションの代名詞として堂々とその名を馳せています。

そもそもジーンズは、アメリカの開拓時代、鉱山労働者の作業着として誕生しました。毎日泥だらけ汗まみれになって働く労働者と共に成長し、その丈夫さと機能、流行に左右されないデザインにより、作業着としてだけではなく、多くの人に愛されるファッションアイテムとなりました。ジーンズ専門ブランドだけでなく、世界の一流ブランドもこぞってジーンズを発表するほど、驚くほど多種多様なジーンズが存在しています。素材と質、色や形などこだわり抜いて生みだされるジーンズは、もはや作業着とは程遠く、洗練され、美しく、そして時にエレガントです。

そうなんです!最近では、ドレスコードでいうところの、カジュアルの領域に置いておくのは勿体無いほど、品のあるジーンズが存在しています。ジーンズの生みの親Levi Strausがリベット補強付きパンツの特許を取得してから、今年で146年になります。近代化が進み、戦争をくぐり抜け、幾多の時代の荒波に揉まれ、映画や音楽といったサブカルチャーを中心に労働者の作業着からファッションの領域へそのフィールドを広げたジーンズは、これからもそのシンプル過ぎるまでの美しさを保って、進化し続けることでしょう。

実を申せば、横須賀ジーンズ商会では、そんなジーンズの未来を担うような新しいジーンズを開発中です。まだ詳しいことはお話できないのですが、今回取りあげたドレスコードとジーンズの関係から、「こんなジーンズが欲しいなぁ」という発想で開発を進めているところです。楽しみにしていてください。

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